赤い発疹と耐えがたい痒みに直面した際、多くの人が「蚊に刺されたのか、ダニなのか、それとも別の害虫なのか」と頭を抱えます。皮膚科専門医や害虫防除の現場データによると、発疹の現れ方や潜伏時間、発生部位を注意深く観察することで、刺した原因生物を高い精度で見分けることが可能です。
一般的に、蚊に刺された場合は刺された直後〜数分以内に皮膚が白っぽくプクッと膨らみ、数時間から翌日には痒みが引いていきます。しかし、室内で人を刺すツメダニやイエダニの場合、刺された直後は自覚症状がほとんどありません。刺されてから半日〜48時間ほど経過した後に猛烈な痒みと1〜3mm程度の硬い赤い発疹(丘疹)が出現し、ピークを迎えます。ダニの唾液成分(アレルゲン)に対して人間の免疫細胞が遅れて反応する「遅延型過敏反応」を起こすためです。この炎症はしつこく、適切な処置をしないと1週間から10日以上も強い痒みが持続します。
さらに近年、宿泊施設や中古家具などを経由して都市部で被害が激増しているのがトコジラミ(南京虫)です。トコジラミは服の隙間に入り込むダニとは異なり、手首、足首、首筋などの露出した部位を移動しながら連続して複数箇所を刺す(直線状や円弧状の刺し跡)傾向があります。また、野外の草むらや藪に潜むマダニは、刺すというよりも頭部を皮膚深くに突き刺して数日から10日以上吸血し続けるため、黒いイボや血豆のような虫体が皮膚にくっついているのが目視で確認できます。