館内を歩いていて驚かされるのは、徹底した音響ゾーニングの巧みさだ。フロアごとに明確な役割が与えられており、従来のルールに縛られない自由な使い方が許容されている。
1階のオープンカフェスペースでは、会話やオンラインミーティング、グループワークが公認されている。ポッドキャストの収録やプレゼン練習ができるクリエイタースタジオまで完備されており、若年層のスタートアップ拠点のような活気に満ちている。一方で、上層階へ進むと空気は一変。最新の吸音建材で囲まれたサイレントゾーンや個別ワークブースが広がり、深い集中を求める受験生や研究者たちが静かに思索に耽っている。対極にあるふたつのニーズを同じ屋根の下で両立させる空間設計は、実に見事だ。