「今際の際」の読み方は「いまわのきわ」です。「こんさいのさい」と誤読されるケースも稀に見受けられますが、正しくは大和言葉に由来する訓読みが基本となります。
この言葉の語幹である「今際(いまわ)」は、古語の「今は(いまは)」が音変化したものです。古文において「今は限りの時(=もうこれでおしまいである時)」を指す言葉として用いられ、これが名詞化して「臨終」「最期」を意味するようになりました。
平安時代の古典文学『竹取物語』やかぐや姫の昇天場面、あるいは『平家物語』における武士の討ち死にの場面などでも、「今は」「今際」という表現が重要な局面で登場します。「現世での命の営みは『今』を限りに尽きる」という無常観と強い実感が込められた言葉が、時を経て「際(きわ=境目・直前)」と結びついたのが「今際の際」です。