シーラの存在を理解する上で避けて通れないのが、時間軸の異なる2つのエピソードにおける彼女の行動です。彼女は作中で極めて特殊な「二重の過去」を背負っています。
第1の登場は『クラピカ追憶編』です。クルタ族の隠れ里の近くで倒れていたところを、幼少期のクラピカと親友パイロに救出されました。耳が不自由なフリをしつつ、外の世界の冒険記『D・ハンター(ディノ・ハンター)』の写本をクラピカたちに手渡します。この本こそがクラピカに外の世界への強い憧れを抱かせ、彼が里を出る試験を受ける直接の引き金となりました。シーラはその後、礼を述べて里を去りますが、それからわずか数週間後、クルタ族は幻影旅団によって急襲され、クラピカ以外の全員が惨殺されるという悲劇に見舞われます。
第2の登場が、週刊少年ジャンプに掲載された第395話〜第397話の「流星街過去編」です。ここでシーラは、幼少期のクロロ、ウボォーギン、マチ、パクノダらとともにビデオテープのアフレコ劇を行う劇団仲間として描かれました。当時から『D・ハンター』に強く傾倒しており、「プロハンターになって世界中を旅したい」という夢を語っていました。しかし、仲間であるサラサが無残に殺害された事件を契機にクロロたちが「悪党による抑止力」を目指して幻影旅団を結成した際、シーラはその結成メンバーには加わりませんでした。