マンゴスチンが「果物の女王」と称される理由は、19世紀の大英帝国・ヴィクトリア女王が「我が領土にある美味なるマンゴスチンをいつも味わえないものか」と嘆息し、遠く東南アジアから運ばせようと賞金をかけたという有名な歴史的逸話に由来します。東南アジア原産のドリアンがその強烈な風味と栄養価から「果物の王様」と呼ばれるのに対し、マンゴスチンは高貴な佇まいと繊細な味わいから対をなす存在として位置づけられてきました。
気になるその味わいは、ライチの瑞々しさ、白桃の上品な甘み、そしてグレープフルーツやイチゴを思わせる軽やかな酸味が渾然一体となった極上のテイストです。柑橘類のように房状に分かれた果肉は、口に含むと絹のように滑らかにとろけ、芳醇なアロマが鼻腔を抜けます。
栄養面においても、果皮と果肉には極めて優れた成分が凝縮されています。特に注目されているのが、ポリフェノールの一種であるキサントンです。キサントンは植物界でも限られた種にしか含まれない強力な抗酸化物質で、活性酸素の除去やエイジングケアへの効果が学術的にも研究されています。さらに、糖質の代謝を促すビタミンB1、赤血球の形成を助ける葉酸、余分な塩分を排出するカリウムがバランスよく含まれており、美容と日々のコンディション維持を支えるスーパーフルーツとしての側面を持っています。