SNSや口コミプラットフォーム上で近年目立つのが、超高級ホテルに対する辛辣な告発投稿の増加です。かつてはクレームを公の場に投稿すること自体が憚られる風潮がありましたが、宿泊単価が従来の倍以上に跳ね上がったことで、利用者の許容ラインが劇的に狭まっています。
炎上に至る経緯を分析すると、主に3つのパターンが浮き彫りになります。第一に「チェックイン待ちの長時間化」です。15時のチェックインラッシュ時にロビーで1時間以上待たされ、ウェルカムドリンクの提供すら忘れられたという苦情が頻発しています。第二に「ターンダウンサービスやルームサービスの遅延」です。人手不足の影響で夜間のハウスキーピングが滞り、注文した食事が冷めきって到着するといった事態が報告されています。
そして第三が、もっとも感情的な反発を呼びやすい「インバウンド対応優先に見える現場対応」です。ある有名ホテルに宿泊した日本人利用者は、手記風の投稿で次のように憤りを露わにしました。「連休に奮発して一泊25万円を支払ったが、フロントスタッフは英語圏のゲストに手厚く付きっきりで、日本人であるこちらへの挨拶や荷物運びは後回し。昔のような温かな気配りは完全に失われていた」。
ホテル側の内情を取材すると、急速な観光需要の回復に対してベテランスタッフの退職が重なり、新卒や中途採用の即戦力化が追いついていない実情があります。離職率が年率25%を超える施設もあり、伝統的に培われてきた「暗黙のプロトコル」が現場で継承されていないことが、一連のサービス劣化騒動の根本原因と言わざるを得ません。