ネット上の掲示板やSNS検索で頻出する「やらせ疑惑の真相」というワード。これについて放送業界の制作プロセスと現場の運用実態を照らし合わせると、視聴者が抱く違和感の構造が見えてきます。
大前提として、大型商業施設でのテレビカメラを用いたロケは、店舗本部および管轄警察署などへの道路使用・撮影許可の申請なしには一切行えません。突然ふらりと現れた一般客に偶然スタッフが出くわし、その場でカメラを回してレジまで密着するという形式は、バラエティ番組における「構成上の導入演出(フォーマット)」です。リサーチ会社や番組公式の募集、SNS上のインフルエンサー発掘を通じて事前に出演許諾を取り、買い物の日時や動線を綿密に打ち合わせた上で撮影が行われています。
また、ネット上で最も批判の対象となりやすい「大量の食材を買い込んで廃棄しているのではないか」という懸念についても取材しました。番組制作ガイドラインが年々厳格化される中、購入された食材は出演者の自宅冷凍庫へ実際にストックされるか、同行した親族やスタッフ間でシェアされ、廃棄を避ける運用が徹底されています。特に大食いタレントや料理自慢が出演するパートでは、調理された料理が完食されるまでを撮影するのが鉄則となっています。演出上のデフォルメはあるものの、悪質な捏造や食品ロスを意図的に生み出す構造ではないことが確認できます。