ピアッシングを検討する人が最も懸念する要素が、施術時の痛みと難易度です。ネット上では「激痛に耐えられないのではないか」という不安の声も散見されますが、実際の現場データや愛好者の証言は異なる傾向を示しています。
上唇小帯は非常に薄い粘膜組織であり、耳軟骨(ヘリックス等)や舌ピアス(センタータン)と比較して神経終末の密度が低いため、スクランパーの痛みは「一瞬チクッとする程度で、耳たぶ(ロブ)と同じかそれ以下」と評されるケースが主流です。痛みの強さそのものよりも、上唇を強くめくり上げられる器具の圧迫感や違和感のほうが記憶に残りやすい部位と言えます。
一方、スクランパーの開け方においては極めて繊細な技術が要求されます。使用する器具は、衛生管理された医療用スクランパー ニードル(14Gまたは16G)が標準的です。セルフピアッシングを行う場合、鏡を見ながらの施術では左右のバランスが崩れやすく、筋の浅すぎる位置に針を通してしまったり、斜めに貫通して粘膜を裂いてしまう事故が多発しています。安全性を担保するためには、口腔構造を熟知した専門のボディピアススタジオで施術を受ける選択が不可欠です。