トランプ氏が掲げる宇宙政策の核心は、「宇宙は自由な公海ではなく、国家の命運を分ける戦闘領域(Warfighting Domain)である」というプラグマティズムにあります。2019年にトランプ第1期政権が主導して発足したアメリカ宇宙軍(United States Space Force)は、創設当初こそメディアやリベラル層から「SFの真似事」「予算の浪費」と揶揄されました。しかし、2026年現在の安全保障環境を見れば、その先見性は軍事専門家の間でも否定できない事実として受け止められています。
米軍関係者の証言によると、トランプ氏が宇宙軍創設を急いだ背景には、中国が推進するキラー衛星(人工衛星破壊兵器)や極超音速滑空体の迎撃網構築、そしてロシアの衛星攻撃能力に対する強烈な危機感がありました。GPS、偵察衛星、早期警戒通信ネットワークが機能不全に陥れば、現代の通常戦力は瞬時に無力化されます。トランプ政権下の国家安全保障宇宙戦略は、防衛にとどまらず「敵国の宇宙アセットを無力化する優位性の確保」を明確に打ち出しており、これが現在進行形の宇宙防衛戦略覇権争いの起点となっています。
ホワイトハウスの記者会見でトランプ氏が「アメリカが地上で勝者であるのと同様に、宇宙でも絶対的な勝者でなければならない」と言い放った通り、政策の主眼は国際協調よりもアメリカ・ファーストの宇宙覇権確立にシフトしています。この国家意思が、従来の遅大で官僚的な宇宙開発体制を容赦なくスクラップ・アンド・ビルドする原動力となっています。