藤沢のビールシーンの真骨頂は、醸造設備と客席がガラス一枚で隔てられたブルーパブにある。タンク直結のタップから注がれる一杯は、流通の過程で受ける振動や温度変化が皆無。まさにビールが「生きている」状態で喉へと滑り込んでくる。
藤沢駅北口の静かな路地裏に佇む隠れ家的なブルーパブでは、自家醸造のセゾンやペールエールが常時5〜8種類タップに並ぶ。地元野菜をふんだんに使ったタパスとともに味わう一杯は格別だ。南口の雑居ビル奥にあるマイクロブルワリーでは、実験的なヘイジーIPAがマニアの間で話題を呼んでいる。カウンター越しにブルワーと直接グラスを交わし、その日の仕込みについて語り合える距離感こそが、藤沢の名店が放つ最大の魔力だ。