口火を切ったのは一本のドキュメンタリーだった。興行界の予想を覆して異例の大ヒットを記録した映画『建国戦争』である。これまでタブー視、あるいは独裁者として切り捨てられがちだった彼の足跡を、自由民主主義の防波堤を築いた功績者として描き直したこの作品は、保守層を中心に熱狂的な支持を集めた。
波紋は映画館のスクリーンにとどまらない。YouTube上には関連する解説動画が溢れかえり、地上波をはじめとする報道メディア業界もこぞって特集を組んだ。若年層の間ではNetflixなどの配信プラットフォームを通じて歴史ドキュメンタリーを能動的に掘り下げる潮流が定着しつつあり、教科書的な固定観念にとらわれない生々しい議論がネット空間で交わされている。「独裁」の二文字で片付けられてきた過去のリーダー像が、コンテンツの力によって脱構築されているのだ。