幼虫の性別鑑定において、初心者が最も犯しやすいミスが「脂肪体」と卵巣の誤認だ。幼虫が成熟してくると、体内にエネルギーを蓄えるための白い脂肪の塊(脂肪体)が全体に広がる。これが卵巣の周囲や腹部に斑点状に見えることがあり、雄の個体を雌と誤診してしまうケースが後を絶たない。
見分け方のコツは、輪郭の鮮明さと色味の違いにある。脂肪体は境界線が曖昧で不定形な白色だが、卵巣は綺麗な楕円形をしており、やや濃い黄色みを帯びている。また、位置が左右対称に独立して存在しているかどうかも重要な判断材料だ。
さらに、加齢段階の誤認にも注意が必要だ。1齢や2齢の段階では卵巣が十分に発達しておらず、肉眼や簡易ルーペでの鑑別は極めて困難だ。無駄に素手で触りすぎると、体温による熱ストレスや雑菌の付着で幼虫が弱ってしまう原因にもなる。鑑別作業は手袋を着用し、3齢幼虫に達して皮下が安定した時期に行うのが鉄則だ。