平和市民公園が単なる運動公園にとどまらない理由は、園内に本格的な文化施設と国際色豊かな庭園を内包している点にあります。その象徴的存在が「武漢の森」です。大分市と中国・湖北省武漢市の友好都市提携を記念して整備されたこのエリアは、中国伝統の庭園建築様式を忠実に再現した東屋や太湖石(たいこせき)風の奇岩、色鮮やかな装飾が施された門が立ち並びます。春には園内の桜や新緑と朱色の中国建築が見事な調和を見せ、SNS映えする撮影スポットとして若い世代からも再注目されています。
さらに公園の西側に佇む「平和市民公園能楽堂」は、日本屈指の本格的な能舞台を備えた木造建築の殿堂です。総檜造りの舞台は厳かな空気を放ち、狂言や能の公演だけでなく、市民向けの古典芸能講座や和のイベントが定期的に催されています。周囲には美しく整えられた日本庭園が広がり、能楽堂の静謐な佇まいと武漢の森の異国情緒が裏川を挟んで共存するランドスケープは、大分市の文化的多様性を象徴しています。