矢沢永吉のライブを象徴する光景といえば、サビの「乗ってくれ Ha〜Ha」「跳んでくれ Ha〜Ha」の合図とともに数千、数万本のタオルが一斉に宙を舞う「タオル投げ」です。この唯一無二のアクションは、アーティスト側が振付として指導したものではなく、ファンの自発的なエネルギーから自然発生したカルチャーです。
1980年代初頭、矢沢のステージではすでにファンが公式グッズのスペシャルビーチタオル(SBT)を肩に掛けたり、曲に合わせて掲げたりする文化が存在していました。そんな中、1984年から1986年頃のライブ会場において、客席のファンが興奮のあまり手にしたタオルを頭上へ放り投げたことが発端とされています。これを見た矢沢本人がステージ上から煽り、観客がそれに応える形で呼応し合いました。
1986年に『止まらないHa〜Ha』がセットリストに加わると、曲の持つ圧倒的な推進力とサビのブレイクポイントが見事に噛み合い、「Ha〜Ha」のシャウトに合わせてタオルを真上に投げるアクションが全国のファンへと急速に伝播。1990年代には完全に「矢沢永吉のライブ定番曲における絶対の儀式」として定着しました。