伊奈学園総合高校の名を全国に轟かせている最大の要因のひとつが、吹奏楽部の圧倒的な実績です。全日本吹奏楽コンクール全国大会において通算十数回以上の金賞を受賞し、全日本マーチングコンテストでも常連校として君臨しています。
部員数は200人を超え、吹奏楽団としては国内最大級の規模を誇ります。この巨大組織がなぜ毎年トップレベルの演奏クオリティを維持できるのか。その背景には、独自のパート指導システムと徹底された自主運営体制があります。
同校には音楽棟をはじめとする充実した練習設備があり、パート練習やセクション練習を個別に行う環境が完備されています。加えて、指導陣は長年にわたり音楽的伝統を築き上げた顧問と、東京藝術大学などをはじめとする一流音楽大学出身の外部講師陣がバックアップしています。しかし、部員たちが口を揃えるのは「先輩から後輩への技術継承の細やかさ」です。
部活動に密着したドキュメンタリー番組や吹奏楽専門誌の取材記録において、歴代部長や指導者は「伊奈学園の強さは、音を合わせることではなく、200人の心がひとつの目標に向かう統率力にある」と述べています。コンクールに出場できるメンバー(A編成・50名前後)の選考は熾烈を極めますが、コンクールメンバー以外の生徒も定期演奏会や地域の依頼演奏、マーチング部門などで主役を務めるシステムが整っており、全部員が役割と誇りを持てる工夫がなされています。
音大進学を目指す生徒はもちろんのこと、部活動で培った強靭な精神力と自己管理能力を生かして難関大学の一般入試や総合型選抜を突破する生徒が多い点も、伊奈学園吹奏楽部の隠れた強みといえます。