全国の地方自治体で施行されて久しい暴力団排除条例は、裏社会の経済的基盤を完全に遮断した。銀行口座の開設すら困難となった現代において、かつて圧倒的な勢力を誇った特定抗争指定暴力団の山口組をはじめとする主要組織も、急速な高齢化と構成員の激減に直面している。若い世代の暴力団離れが進む中、全身に彫り物を入れる行為は、もはや組織内の出世手形ではなく、社会的死を自ら招くリスクでしかなくなっている。
かつては銭湯やゴルフ場での着用拒否にとどまっていた排除の動きは、今や一般社会の隅々にまで浸透した。生命保険の加入拒否、マンションの賃貸契約解除、さらには家族の日常生活にまで及ぶ厳しい視線。一昔前のように「刺青をちらつかせて威嚇する」手法は完全に過去の遺物となり、隠すことすら困難な全身の和彫りは、裏社会の人間にとっても重荷となりつつあるのが現実だ。