本作の骨格を築いたのは、小学館『ビッグコミックスピリッツ』で連載された柴門ふみの同名コミックだ。日常に潜むリアルな恋愛心理を冷徹なまでの解像度で切り取る柴門ワールドを、当時弱冠22歳だった脚本家・坂元裕二が見事な映像世界へと昇華させた。
後に『東京ラブストーリー』や数々の名作を世に送り出す坂元裕二にとって、本作はゴールデンタイム連続ドラマの単独執筆という大きな試金石だった。セリフの一つひとつに宿るナイフのような鋭さと、登場人物の弱さを包み込む詩情。従来の日本のテレビドラマが描いてきた紋切り型のロマンスを軽やかに脱ぎ捨て、若者の生身の叫びをセリフに落とし込んだ手腕は、今振り返っても驚異的だ。
フジテレビジョンが手掛けた月9ドラマの黄金期は、まさにこの作品の挑戦から本格的な幕を開けたと言っても過言ではない。