報道・放送メディア業界へと足を踏み入れた彼女は、フジテレビジョンの夜の看板報道番組『ニュースJAPAN』で一躍時の人となった。感情に流されず、事実を冷静かつ凛とした佇まいで伝える独自のニュースキャスター像。その背景には、父親から教え込まれた「客観的な視座」と「言葉に対する厳格な美学」が生きていた。
アナウンサーとして独立後、株式会社フォニックスに所属しながら活動の幅を広げた彼女の真骨頂といえば、世界中を魅了した東京2020オリンピック・パラリンピック招致プレゼンテーションだろう。あの歴史的な「お・も・て・な・し」のスピーチに宿っていたのは、日本文化の奥ゆかしさと、フランス人実父から受け継いだ洗練されたプレゼンテーション能力の融合だった。
相手の立場に立ち、過不足のないエレガントな表現で心を開かせる手法。それは、グローバルビジネスの荒波を生き抜いてきた父親のコミュニケーション哲学そのものだったと言える。