メディアが見出しをつける「世襲のプリンス」というステレオタイプは、本人の素顔を覆い隠してしまう。深夜の事務所取材で垣間見えたのは、驚くほど腰が低く、現場の声にじっと耳を傾ける実直な姿だった。飾らない語り口と、過疎化に悩む農家や漁師の手を強く握り返す熱量。そこに虚飾はない。
後援会組織の引き締めを図る一方で、若年層や無党派層に向けたアプローチも急激に変化している。従来の動員型集会頼みから脱却し、少人数での対話集会を徹底して繰り返す草の根戦略。支持者の世代交代が進む現実を直視し、古い殻を打ち破ろうとする必死の足掻きがそこにある。過去の権威に頼るのではなく、自らの足で稼ぐ選挙への転換を急いでいるのだ。