冷戦の火種がくすぶる昭和の日本で、正力と米国中央情報局(CIA)の間に結ばれたパイプは極めて特殊な意味を持っていた。機密文書の中で彼に与えられた暗号名「ポダム(PODAM)」。それは、共産主義の拡大を防ぎ、親米的な世論を日本国内に定着させるためのキーマンであることを示していた。
特に象徴的なのが「平和利用」を掲げた原子力キャンペーンである。読売新聞と日本テレビを総動員して展開された大々的なプロパガンダは、被爆国である日本の国民感情を劇的に転換させた。外部のインテリジェンスと国内のメディア王が手を握ったとき、世論はいかにして意図的に作り替えられるのか。機密資料が語る事実は、情報機関と商業メディアの危うい共犯関係を容赦なく暴き出している。