ネットの検索窓に「ちょうちん通り」と打ち込むと、サジェストに現れるのが「治安」「入りにくい」といった警戒混じりのワードです。赤提灯がひしめき、すりガラスの引き戸が閉ざされた佇まいから、「常連客で固められた排他的なコミュニティなのではないか」「ぼったくりや客引きの被害に遭うのではないか」と躊躇する旅行者も少なくありません。編集部が現地関係者へのヒアリングおよび直近の警察防犯データをもとに検証した結果、実態は大きく異なっていました。
結論から言えば、ちょうちん通りの治安と評判は地方都市の歓楽街として極めて安定しています。周南警察署や地元防犯組合による定期的なパトロールが定着しており、悪質な客引きや法外な料金を請求するような違法店はほぼ淘汰されています。ネット上で散見されるネガティブな口コミの多くは、スナック特有のチャージシステムを知らずに入店したことによる軽微な行き違いや、狭小店特有の物理的距離感に圧倒された初見客の戸惑いが原因です。
現場で長年暖簾を守る居酒屋の店主は、次のように取材に答えてくれました。
「うちは看板こそ年季が入っていますが、誰でも大歓迎ですよ。徳山はもともと全国から技術者が集まる出張の街。外から来た人を疎外するような風土はありません。ただ、席数が8席〜10席程度の店が多いので、ドアを開けて満席に見えたら『1人入れますか?』と一言声をかけてもらえるとお互い気持ちよく過ごせます」
扉を開ける瞬間にわずかな勇気が必要なだけであり、一歩足を踏み入れれば、大将や気さくな常連客が自然と席を詰めてくれる温かいおもてなしの空気が広がっています。