お笑い界の歴史が動いたのは、2019年11月29日放送の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)でした。この番組での復活劇は、事前の番組表にもネットニュースにも一切告知されない完全なサプライズでした。
仕掛け人は、番組のメインキャスターを務めるくりぃむしちゅーの有田哲平。有田は若手時代から山崎を可愛がり、アンタッチャブルの才能を誰よりも愛していた先輩芸人です。柴田は番組側の台本通り「ゲストコメンテーターとして出演し、相方役の代役芸人と即興漫才をさせられる」というお決まりのドッキリ展開だと思い込んでいました。
スタジオのセット裏から現れたのは、代役の芸人ではなく、スーツ姿で満面の笑みを浮かべた山崎弘也本人。その瞬間、柴田は言葉を失い、床に崩れ落ちるように倒れ込みました。「おい!ザキヤマ!」「マジでお前……!」と動揺しながらも靴を脱ぎ捨て、マイクの前へ進み出た柴田に対し、山崎は10年のブランクを微塵も感じさせない猛烈なボケを連発。柴田も反射的に超高速ツッコミで応酬し、約10年ぶりとなる即興漫才が繰り広げられました。
台本が完全に吹き飛んだ現場で見せた2人の表情は、まさに水を得た魚そのものでした。番組終了直後、SNSのタイムラインは歓喜の叫びで埋め尽くされ、「アンタッチャブル」「脱力タイムズ」が国内および全世界のTwitter(現X)トレンドで第1位を獲得。芸人仲間たちからも「鳥肌が立った」「泣きながら笑った」と絶賛の投稿が相次ぎました。この復活劇は、テレビというメディアが持つ熱量を日本中に再認識させた瞬間でした。