2000年代初頭、日本のプロスポーツ産業は大きな構造変化の波に直面していた。その渦中で発生したのが、球界全体を揺るがした2004年プロ野球再編問題である。
経営難に苦しむ近鉄はオリックス・ブルーウェーブとの球団統合を発表。選手やファンの激しい反対運動やNPB史上初のストライキにまで発展したものの、半世紀以上続いた「近鉄」の名は球界から姿を消すこととなった。
日本一のタイトルを一度も獲得できないまま消滅したという事実は、日本のスポーツノンフィクション分野でも幾度となく取り上げられ、悲劇の物語として語り継がれている。統合によって誕生したオリックス・バファローズが2022年に日本一に輝いた際、旧近鉄ファンが感慨深い思いを抱いたのは記憶に新しい。