かつてないスピードで構造転換が進むテレビ放送業界。制作費の縮小や視聴スタイルの細分化によって、かつてのような長寿番組が生まれにくい環境が定着した。そうした時代の変化を、小堺自身はどう受け止めていたのか。
後に関係者に明かしたところによれば、長年続いた帯番組が幕を閉じた直後、心の中に生じたのは喪失感ではなく、意外にも「広大な自由への解放感」だったという。毎日の生放送という重責から解き放たれたことで、自身が本当にやりたかった表現、見過ごしてきたカルチャーの深淵にもう一度向き合う時間が生まれた。
「テレビがどれだけ形を変えても、人間が人間に対して面白いと感じる本質は変わらない」。時代の変化に抗うでもなく、過剰に迎合するでもなく、ただ軽やかにステップを踏みながら新しい波を乗りこなす。そのしなやかな適応力こそが、彼を時代遅れの存在にさせない最大の武器となっている。