カレンダーを見ても「今年が何年か」を一瞬見失ってしまうのは、単なる物忘れではない。学術的な観点から「時間学・暦法」の研究を紐解くと、現代人が直面する時間認識の特性が見えてくる。
西暦はキリスト生誕を基準とした無機質で均等な連続体(量的な時間)であるのに対し、日本の元号は時代の区切りや社会的・文化的な文脈を伴う(質的な時間)という違いがある。現代人は、スマートフォンやPCから絶え間なく流れてくるタイムラインの情報に晒されることで、時間の感覚が細切れになりやすい。二つの異なる時間軸を頭の中で常時切り替えていること自体が、脳に適度な負荷をかけているのだ。