漆黒の闇で捧げる祈りの深意とは?皇室が秘匿する宮中祭祀の全貌

漆黒の闇で捧げる祈りの深意とは?皇室が秘匿する宮中祭祀の全貌

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皇室の暦は、祈りとともに回っている。年間数十回にも及ぶ祭儀の中でも、元旦早朝の「四方拝」は象徴的だ。まだ夜が明けきらぬ午前5時半、極寒の露天に敷かれた茣蓙(ござ)の上で、黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)に身を包んだ天皇が東西南北の神々、そして父母の山稜を拝する。国の災厄を自らの身に引き受ける覚悟を示す、孤独な祈祷の瞬間だ。

秋の深まりとともに行われる「新嘗祭」は、年間最大の重儀といえる。新穀を神々に供え、自らもそれを食す「神人共食」の儀式は、夕刻の「夕御の儀」から深夜の「暁御の儀」まで、数時間ずつ二度にわたって冷え切る神殿内で執り行われる。暖房器具など存在しない空間で正座を崩さず、神霊と向き合う。単なるセレモニーではなく、極限の集中力を要する肉体的な行法そのものだ。

山田 真由
著者

山田 真由

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