井上芳雄のキャリアは、現代日本のミュージカル史そのものと言っても過言ではない。東京藝術大学音楽学部声楽科に在学中、東宝が手掛けるミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役に抜擢され、鮮烈なデビューを飾った。その気品あふれる姿と確かな歌唱力で、瞬く間に「ミュージカル界の王子」としての地位を確立した。
その後も『モーツァルト!』をはじめとする数々の名作で主演を務め、日本のミュージカルシーンを力強く牽引。デビューから25年以上の月日が流れた現在も、絶え間なく劇場の最前線に立ち続けている。彼が開拓した道は、後進の若手俳優たちにとっても大きな道標となっている。