長年にわたり料理番組の王座に君臨してきたフード・ネットワークをはじめとする既存メディアも、この動きを無視できない。従来のクッキング・リアリティショーが採用してきた「対決」や「タイムリミット」といったテンプレ展開は、もはや視聴者を飽きさせつつある。いま求められているのは、本物の情熱と圧倒的な世界観だ。
今作が提示するアプローチは、料理対決の枠を超えた人間ドラマであり、文化の探求でもある。有名シェフとのコラボレーションや知られざる食材のルーツを辿る旅など、そのスケール感は従来のスタジオ収録番組とは一線を画す。料理エンタメの文法そのものが、いま根本から書き換えられようとしている。