小泉が手がける作品の真骨頂は、ジャンルを問わない圧倒的な人間描写にある。特に、斜陽産業とも囁かれた時代劇の分野では、古典的な様式美を踏襲しながらも現代的な心理葛藤を織り交ぜた斬新なアプローチで若年層の観客を惹きつけた。
一方で、現代社会の歪みや孤独を描くヒューマンドラマにおいても、彼女の鋭い観察眼が光る。登場人物の誰も悪者に仕立て上げず、日常のささやかな機微を丹念にすくい上げる作劇法は、国内外の映画祭で高い評価を獲得。エンターテインメントとしての娯楽性と、胸を締め付けるドラマ性の両立を彼女は常に追求している。