脇を固めた重鎮たちの存在感も凄まじい。こころの父親役を演じた吉田鋼太郎と、母親役の麻生久美子は、吸血鬼ファミリーという一歩間違えればコントになりかねない設定に、圧倒的なリアリティと品格をもたらした。
吉田のクラシカルでどこかチャーミングな吸血鬼像、そして麻生が放つ妖艶さと母性溢れる温かさ。さらにファーストサマーウイカやMEGUMI、高橋克典といった癖のあるバイプレイヤーたちが加わることで、商店街という日常空間に潜む不穏な非日常が見事に構築された。誰一人として手を抜かない演技の密度が、作品全体のクオリティを引き上げたのは明白だ。