一方で、パンフレットや移住プロモーション動画だけでは見えてこない日常の実態も存在します。都城市の住みやすさと評判を掘り下げるにあたり、現地居住歴3年目の30代夫婦や地元商店関係者に取材を実施したところ、いくつかの明確な「生活課題」が浮かび上がってきました。
取材に応じた元ITエンジニアの男性(35歳)は、移住直後の驚きを次のように語ります。
「家賃の安さと食べ物の美味しさは想像以上でした。しかし、車が1人1台ないと社会生活が成り立たない点を見落としていました。夫婦で2台所有すると、自動車税、保険料、車検費用、ガソリン代で月に4万円前後は消えていきます。家賃で浮いた分がそのまま自動車維持費にスライドする感覚です」
さらに見過ごせないのが、地理的要因に起因する自然現象への対処です。都城市は霧島連山の麓に広がる盆地構造であるため、霧島山(新燃岳等)の火山活動が活発化した際には、「降灰(こうはい)」の影響を直接受けます。
「灰が降る日は窓を開けられず、洗濯物は室内干し一択になります。道路が灰で滑りやすくなり、車線変更すら気を使う。洗車を怠るとボディーに細かな傷が入るため、降灰用ワイパーブレードやコイン洗車場のプリペイドカードは必須アイテムです」(地元出身の40代自営業者)
加えて、夏季から秋季にかけては「都城市 天気 警報」が発令される頻度が高くなります。台風の接近時には南九州特有の猛烈な風雨に見舞われ、河川の増水や土砂災害警戒情報への迅速な対応が求められます。豊かな自然環境と災害リスクは常に表裏一体であることを、居住者は強く認識しています。