シャンプー論争において長年ネット上を亡霊のように漂い続けているのが「経皮毒 噂の真相」です。「シャンプーの合成界面活性剤が毛穴から血液に入り込み、子宮や内臓に溜まる」「出産時に羊水からシャンプーの匂いがした」といったショッキングな言説が、自然派志向のブログや怪しいセミナーを通じて定期的に拡散されてきました。
日本皮膚科学会所属の皮膚科専門医らによる医学的見解は明白です。「皮膚の角質層は強固な生体バリアであり、分子量の大きい界面活性剤が真皮層を突破して血管や内臓に蓄積することは構造上あり得ない」。羊水がシャンプー臭くなるという話も完全な医学的デマであることが証明されています。こうした非科学的なオカルト情報に怯えて、過剰に高価な「無添加・オーガニック」を謳う粗悪品に手を出してしまう二次被害こそが、現代の消費者が直面する深刻な罠です。
また、一時期社会現象となった「シリコンシャンプー デメリット」を叫ぶノンシリコン信仰にも大きな誤解が存在します。シリコン(ジメチコン、アモジメチコン等)は、本来医療用カテーテルや人工関節にも使われるほど生体親和性が高く、アレルギー反応を起こしにくい安全なポリマーです。「シリコンが毛穴を塞いで呼吸を止める」という説には何の科学的根拠もありません。むしろダメージ毛やロングヘアの人が完全なノンシリコン製品を使い続けると、洗髪時の摩擦によってキューティクルが剥離し、枝毛や切れ毛を著しく悪化させるリスクを伴います。界面活性剤 頭皮への影響とコーティング剤の役割は、完全に切り離して理解しなければなりません。