ネット上の言説において散見される最大の誤解は、「EXILE TRIBEの強力なバックアップがあったからこその成功であり、順風満帆なエリートコースを歩んできた」というステレオタイプです。しかし、舞台裏の軌跡を丹念に追うと、まったく異なる実像が浮かび上がります。
ボーカルバトルオーディションに挑戦する前、彼は美容学校を卒業してサロンに就職するも、激務と理想の乖離からわずか半年で退職。その後、アパレルショップの店員として働きながら、歌への情熱を捨てきれずにオーディションに滑り込んだという泥臭い挫折と再起の経験を持っています。音楽レッスンを本格的に受けたことがない状態でいきなり大舞台に放り込まれ、初期は歌唱力に対する容赦のない批判に晒され続けました。
「最初は何を歌っても『声が細い』『ピッチが安定しない』と言われ、相方(今市隆二)との技術的な差に毎晩劣等感を抱いていた」
当時の特番インタビューで本人が赤裸々に明かしたこの告白は、彼が天賦の才だけで現在のポジションに上り詰めたのではないことを雄弁に物語っています。自身の弱点を冷徹に見つめ、ボイストレーニングと肉体改造を何年も愚直に積み重ねたからこそ、現在の圧倒的な表現力が確立されたのです。
また、CDL entertainmentの運営についても「名義貸し」のプロデュースではなく、楽曲のミックスチェックからグッズの素材選定、プロモーション映像のカット割りまで本人が直接指示を出しています。「おみくん=華やかな王子様」という表層的な記号だけで彼を捉えることは、表現者としての本質を見誤る原因となります。