乃木坂46の名を国民的グループへと押し上げた中心人物たちの足跡は、アイドルの枠を超えた自己実現の教科書と言えます。それぞれの資質と向き合い、自らの手で切り拓いた選択を紐解きます。
白石麻衣は、美の象徴として女性ファッション誌の専属モデルを兼任し、写真集『パスポート』で累計発行50万部超という世紀の記録を樹立しました。2020年10月の配信卒業コンサートを経て、現在の活動は映画・連続ドラマでの主要キャスト、さらには大手ナショナルクライアントのCM出演と、トップ女優の地位を不動のものにしています。バラエティ番組で見せる自然体の明るさも健在で、パブリックイメージとしての「憧れの女性像」を更新し続けています。
グループ最多となる8回のセンターを務めた西野七瀬の歩みも劇的です。2018年末の卒業後、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど演技派女優へと脱皮。そして2024年3月、俳優の山田裕貴との結婚を電撃発表しました。主演級俳優同士の真摯な交際実を結んだニュースは、世間から祝福一色で迎えられました。守りたくなる儚さと内に秘めた芯の強さを併せ持つ彼女の人間性は、私生活の充実とともに演技の深みへと昇華されています。
幼少期から卓越したピアノの腕前と歌唱力を誇った生田絵梨花は、在籍時から志向していたミュージカルの世界で日本を代表するプレイヤーとなりました。『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役やコゼット役をはじめ、数々の大作舞台で主演・ヒロインを担当。ディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』では主人公アーシャの日本版声優を務め、劇中歌で見せた圧倒的な表現力は全世代を魅了しました。音楽特番の司会やソロアーティスト活動も含め、芸術肌の才能を存分に開花させています。
そして、13歳で加入し「選抜落ち」の悔しさも味わった齋藤飛鳥は、名実ともにグループのラストピースとして君臨しました。2022年末の活動終了、2023年5月の東京ドーム卒業コンサートで彼女が語った卒業理由は、単なる自己都合ではなく「後輩たちが自立し、これからの乃木坂46を楽しみに見守れる確信が持てたから」という利他の精神でした。卒業後も映画やハイブランドのアンバサダー、独自の空気感を持つエッセイやナレーションなど、カルチャーシーンで唯一無二の存在感を放っています。