中島みゆきの私生活を巡る噂の中で、最も広く語り継がれてきたのが吉田拓郎との関係性です。1970年代から日本のフォーク・ニューミュージック界を牽引したふたりの間には、長年にわたり「過去に熱愛関係にあったのではないか」「拓郎の妻との間で三角関係があったのではないか」というロマン交じりの噂が囁かれてきました。
この噂が決定的なものとして世間に定着した契機は、1995年に中島が吉田に楽曲提供した名曲「永遠の嘘をついてくれ」です。当時、シンガーソングライターとしてスランプと葛藤の中にいた吉田拓郎が、「みゆき、俺に歌をくれ」と直接依頼。それに応えて書き下ろされたのがこの曲でした。男と女の切ない訣別とも、時代を共に駆け抜けた同志への鎮魂歌とも解釈できる歌詞は、ファンの間で「ふたりの間に特別な感情があった証拠」として熱狂的に受け止められました。
さらに2006年、静岡県・つま恋で開催された「吉田拓郎 & かぐや姫 Concert in つま恋 2006」において、中島みゆきがサプライズ登場した瞬間は伝説として刻まれています。白のシャツに身を包み、颯爽とステージに現れた彼女と、はにかみながらギターをかき鳴らす吉田拓郎の姿に、会場の3万5000人の観客は息を呑みました。
しかし、当時の音楽プロデューサーや関係者の証言によれば、ふたりの関係は恋愛ではなく「表現者同士の魂の共鳴」でした。吉田拓郎自身もラジオや対談で中島への絶大な敬意を示しつつも、男女の交際関係については明確に否定しています。中島にとって吉田は、若き日に憧れ、背中を追いかけた巨星であり、互いの才能を誰よりも深く理解し合う唯一無二の「戦友」だったのです。
また、過去には松山千春やさだまさしといった同世代の巨頭とも噂が立ったことがありますが、いずれも同じ北海道出身の盟友であったり、ラジオの深夜放送を共に支えた仲間としてのフランクな交流に過ぎません。中島みゆき自身は、プライベートの恋愛を公に切り売りすることを徹底して拒み続けてきました。