血を吐いた!喀血と吐血の違いを見分ける決定打と救急受診基準

血を吐いた!喀血と吐血の違いを見分ける決定打と救急受診基準

血を吐いた!喀血と吐血の違いを見分ける決定打と救急受診基準の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

「目の前にある血がどちらなのか」を一般の人が直感的に判断する最大の指標となるのが、喀血と吐血の色の違い、そして気泡や異物の混入状態といった性状です。出血源の違いが、そのまま肉眼で見える血液のテクスチャーに表れます。

喀血の典型像は、空気を含んだ細かい「泡(泡沫)」が混じった鮮赤色です。呼吸運動によって絶えず酸素と空気が行き交う肺や気管支の中で血液が泡立てられるため、まるで炭酸飲料のように微細な泡を伴って吐き出されます。触感はサラサラとしており、食べ物の残りかすが混ざることは基本的にありません。ただし、肺結核や重症感染症などで壊死組織が混じる場合や、気管支内にしばらく滞留した古い血が固まりとなって出る例外もあるため、鮮紅色でないからといって喀血を否定することは危険です。

一方、吐血を象徴する医学表現として知られるのが「コーヒー残渣様(ざんさよう)」です。これはドリップした後のコーヒーの粉かすのような、黒褐色から暗赤色、時には墨汁のようなドロリとした見た目を指します。胃の中で血液が胃酸と攪拌され、酸化された結果生じる特有の性状です。吐瀉物特有のツンとした酸臭を放ち、未消化の食べ物が混ざり合っているケースが大半を占めます。

ただし、ここで絶対に油断してはならない臨床の落とし穴が存在します。食道静脈瘤の破裂や胃動脈の太い血管が吹き出すような「超大量出血」が起きた場合、血液が胃酸と反応する時間すらなく、吐血であっても鮮紅色の鮮血が洗面器いっぱいに噴出することがあります。血液の色だけで「鮮やかだから肺の病気、黒いから胃の病気」と短絡的に決めつけるのは極めて危険であり、吐き気の有無や随伴症状を立体的に観察しなければなりません。

また、消化管で生じた出血は口から出るだけでなく、腸管を下って肛門から排泄される下血(血便・タール便)を伴う点も吐血特有の鑑別ポイントです。喀血では血液を大量に飲み込んでしまわない限り下血は起きませんが、吐血を引き起こす消化器疾患では、数時間から翌日にかけてコールタールのように真っ黒で異臭を放つ軟便が出現します。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。