日本国内の調査データやライフスタイルメディアのアンケートを紐解くと、オリーブに対する評価は綺麗に二極化しています。特に20代〜30代の若年層を中心に、オリーブの実まずいと感じるネットの反応が一定数存在します。「カビ臭いような薬品のようなにおいがする」「油っぽくて胸焼けがする」「ピザに乗っている黒い輪切りが苦手」といった意見です。
フードコーディネーターや調理科学の専門家は、この「まずい」と感じる原因の8割以上が「下処理不足」と「保存液の過剰摂取」にあると指摘しています。輸入食品として流通する安価な瓶詰めや缶詰は、赤道を越える長期輸送と常温流通に耐えるため、極めて強い酸味料(クエン酸や乳酸)と高濃度の塩水で満たされています。生活情報サイト「ふうらぼ」が現場目線で注意を促している通り、瓶から取り出してそのまま口へ運ぶと、舌を刺す塩気と酸味液の独特な匂いばかりが強調され、オリーブ本来のフルーティーなオイル感や甘みが完全にマスキングされてしまうのです。
心理学および食行動学の観点からは、「フードネオフォビア(新奇恐怖症)」と味覚の発達段階が関係しています。オリーブに含まれる微細な苦味や発酵香は、子どもの本能的な防衛反応(毒や腐敗を避ける感覚)を刺激するため、幼少期に苦手意識を植え付けられやすい食材です。しかし、20代後半以降になると味蕾の感度が落ち着き、苦味や酸味を「複雑な旨味のアクセント」として受容できるようになります。つまり、子どもの頃の先入観を持ったまま適切でない調理方法のオリーブを口にしたことで、苦手意識が固定化されているケースが極めて多いのです。