ドラマ史上に残る伝説の場面といえば、第6話のラストシーンです。ダンプカーの前に突如飛び出し、間一髪で停車させた達郎が、恐怖に震えながら涙と鼻水を流して叫んだセリフ――「僕は死にましぇん! あなたが好きだから、僕は死にましぇん! 僕が、幸せにしますから!」。この武田鉄矢の魂の叫びと、浅野温子の震える演技が視聴者の涙腺を崩壊させました。
この劇的な瞬間を音楽面で支えたのが、作曲家・ピアニストの西村由紀江が手掛けた劇中音楽(インストゥルメンタル)です。薫が亡き婚約者を想いながらチェロを爪弾くクラシカルな旋律や、心の葛藤を浮き彫りにする繊細なピアノの調べは、ドラマ全体の品格を一段押し上げました。
ショパンの「別れの曲」をモチーフにしたアレンジなど、哀愁漂う劇伴が張り詰めた緊張感を醸成していたからこそ、クライマックスで爆発する武田鉄矢のエキセントリックな情熱と、エンディングへと流れ込む「SAY YES」の開放感が、計算し尽くされたカタルシスとなって視聴者に突き刺さったのです。