この学びやの根底には、伝説的イラストレーターたちの強い美学が流れている。1970年代から80年代にかけて『OSAMU GOODS』を世に送り出し、日本のポップカルチャーを牽引した原田治。そして、無駄を削ぎ落とした線の美学と独特の佇まいで本の世界を彩った安西水丸。彼らが中心となって設立したパレットクラブスクールは、画一的な日本のデザイン教育に一石を投じる存在だった。
技術を単に教え込むのではなく、個々の「好き」や「違和感」を観察し、商業デザインの世界で耐えうる魅力へと昇華させる。そのスピリットは、今も脈々と受け継がれている。グラフィックデザインの領域から出版、広告まで、時代を超えて愛される作品を生み出すための思考法は、講評の一言ひとことに宿っている。