不二子の艶やかなビジュアルが時代ごとに変化してきた背景には、日本のテレビ放送を取り巻く放送コードと規制理由の変化が深く関係しています。1970年代の『PART1』放送当時は表現の自由度が高かったものの、ターゲット層をファミリー向けに拡大した『PART2』以降、過激すぎる露出や直接的な性的描写は段階的に見直されることとなりました。
特に1990年代以降、青少年保護の観点から地上波ゴールデンタイムでの規制が厳格化すると、直接的な肌の露出よりも「仕草」「カメラワーク」「衣装の隙間」で見せる間接的な色気へと演出手法が洗練されていきました。あえて見せないことで視聴者の想像力を掻き立てる演出美学は、この規制の壁を逆手に取った演出陣の執念から生まれたものです。
一方で、深夜枠や劇場版へと主戦場を移した作品群では、レイティングの範囲内で大人の鑑賞に堪えるリミッター解除の表現が復活。時代ごとのメディアの特性に合わせて表現のグラデーションを柔軟に変えられる点こそ、『ルパン三世』というIPの強靭さを示しています。