かつて浄水場が広がっていた西新宿の地は、昭和中期からの大規模開発によって日本初の超高層ビル街へと変貌を遂げた。そのなかで築かれた西新宿超高層ビル群は、日本の高度経済成長を象徴する壮大な都市空間である。しかし、当時の高層ビル開発は効率性が最優先されがちで、歩行者にとっての憩いの場が不足しているという課題も抱えていた。
その課題に一石を投じたのが「55ひろば」の設置である。敷地内に広大な足元空間を確保し、一般市民に開放するというアプローチは、当時の民間都市開発において極めて画期的な試みであった。ビル風を軽減する樹木の配置やベンチの設置など、人が集い休むための設計が細部まで施されており、現代の都市再開発におけるパブリックススペース設計の先駆けとして高く評価されている。