佐々木蔵之介のルーツを語る上で欠かせないのが、生まれ育った実家の存在です。実家は1893年(明治26年)創業、京都・洛中唯一の伝統ある造り酒屋「佐々木酒造」です。映画『秀吉』のロケ地や名酒「聚楽第(じゅらくだい)」の醸造元としても知られる名門です。
三兄弟の次男として生まれた彼は、建築家を目指した兄に代わり、家業を継ぐことを意識して進路を選択しました。酒造りに直結するバイオテクノロジーや発酵工学を学ぶため、神戸大学農学部(生物資源学科)へ進学したという本格派の理系バックボーンを持ちます。
しかし、大学在学中に演劇サークルへ参加したことが、彼の人生を大きく変えるデビューのきっかけとなりました。学業と酒造りの勉強に励む一方で、舞台表現の奥深さに心を奪われ、芝居への情熱を募らせていくことになります。