大型のカシメや真鍮無垢などの硬質素材がガッチリ噛み合っている場合、一般的なニッパーでは刃が負けてしまったり、金具がビクともしなかったりすることがあります。そうしたカシメが外れない時の対処法として、プロの職人が現場で多用する3つの強力な切削アプローチを紹介します。
1つ目は、刃先が正面を向いている「食い切り(喰切り)」を使用する方法です。食い切りは刃が平らで素材の根元にピッタリと密着するため、通常のニッパーよりも革と金具の極小の隙間に鋭く入り込みます。金具の足部分を挟んで握り込むだけで、強いテコの力によって一撃で軸を破断させることが可能です。
2つ目は、カシメ頭の削り方によるアプローチです。金属用の平ヤスリや、ホビールーター(リューター)に金属用ビットを取り付け、カシメの頭の中央部を平らに削り落としていきます。頭のドーム状部分が薄くなり、内部のパイプ穴が露出するまで削ると、カシメの噛み合いが自然に外れて反対側からピンポンチなどで軽く突くだけでポロリと脱落します。革の表面にヤスリが触れないよう、金属板などのシールドを当てて作業するのが安全のポイントです。
3つ目は、カシメの外し方 ドリルを活用する破壊除去法です。電動ドリルまたはピンバイスに、カシメの軸径と同等かやや小さい金属用ドリル刃(2.5mm〜3.5mm程度)をセットします。カシメの頭の中央にポンチで小さなくぼみを付けた後、低速回転で垂直にドリルを当てて軸の中心を掘り進めます。軸の結合部分が削り取られると頭の傘部分がポロッと外れ、残った足パーツも簡単に押し出せます。熱を持ちやすいため、時折冷ましながら素材を焦がさないよう慎重に進めてください。