採用試験の合格者がまず直面するのが、東京都府中市にある消防学校での全寮制初任教育です。Ⅰ類(大卒)は約半年間、Ⅲ類(高卒)は約8ヶ月半にわたり、消防活動の基礎理論から過酷な体力錬成、救助訓練、規律礼式を徹底的に叩き込まれます。
ここで多くの民間企業志望者が驚くのが、「消防学校の生徒」ではなく「採用初日から正式な地方公務員(消防吏員)」として扱われるという法的位置づけです。訓練を受けている期間中も、毎月満額の初任給が口座に振り込まれ、欠勤控除なども一切ありません。
さらに、全寮制生活における可処分所得の高さも特筆すべきポイントです。学生寮の家賃(寄宿料)は実質無料で、引かれるのは日々の食堂利用費(1日3食で月額3万〜4万円程度)と共益費、教材費などの必要経費のみです。
「消防学校時代は平日に外出・外泊が厳しく制限され、お金を使う機会が週末の帰宅時くらいしかない。そのため、毎月15万円以上が自然と銀行口座に貯まっていき、卒業時には100万円近い貯金ができていた」という現役隊員の証言は枚挙にいとまがありません。学びながら生活の完全な経済的自立が確立できる点は、公務員組織ならではの圧倒的な強みです。