万代シテイ周辺は近年、大規模な都市再開発が進み、スタイリッシュな商業施設や最新のデジタルサイネージが立ち並ぶエリアへと変貌を遂げた。しかし、バスセンター1階のこの一角だけは、まるでタイムスリップしたかのような独特の空気を保ち続けている。ステンレス製のカウンター、黄色いプラスチックの食券機、そして厨房で手際よくカレーを盛り付けるベテランスタッフたちの無駄のない動き。この「変わらなさ」こそが、過密な現代社会に生きる人々にとってのオアシスとなっている。
2026年現在、店舗にはタッチパネル式の多言語対応券売機が導入されるなど、密かに時代に合わせたアップデートも行われている。それでも、カウンターに立つ客同士が肩を寄せ合い、立ち食いスタイルで黙々と味わうライブ感は創業当時と変わらない。再開発によって綺麗に整備された都市の真ん中で、泥臭くも温かい昭和のレトロな情緒を五感で体験できる希少な空間として、その価値はさらに高まりを見せている。