フレグランスの製品名に冠される区分は、フランス語の慣習と業界基準に基づき、エタノールの中に溶け込んでいる香料の純度・割合(賦香率)によって厳密に定義されています。一般に流通しているフレグランスは、濃度の高い順から「パルファム」「オードパルファム」「オードトワレ」「オーデコロン」の4種類に大別されます。
パルファムとオードトワレの違いを理解する上で最も重要な指標が、香水の濃度による違いと揮発スピードの力学です。オードトワレはアルコール分が約85〜90%と多いため、スプレーした瞬間に勢いよく周囲へ香気成分が拡散します。対照的に、パルファムはアルコール分が抑えられ、ベースノート(ラストノート)と呼ばれる分子量の重いウッディ、アンバー、バニラなどの香料が高濃度で配合されています。そのため、周囲へ急激に広がるのではなく、肌の体温でじっくり温められながら、肌の表面近くで濃厚に残り続けます。
この香水の種類の違い一覧が示す通り、オードトワレとパルファムの匂いの強さは単なるボリュームの高低ではなく、「広がり方のベクトル」が異なります。トワレは外に向かって軽快にアピールするのに対し、パルファムは内向的かつ静謐に定着します。この性質の不一致こそが、フレグランス選びで失敗を招く根本原因となっています。