「麺屋あごすけ」の券売機を前にした際、誰もが直面するのが「塩とんこつ」か「鶏塩」かという究極の選択です。結論から言えば、同店を訪れるファンの約4割が指名する筆頭メニューが「塩とんこつラーメン」であり、初訪問ならまず外せない絶対的シグネチャーとして君臨しています。
この一杯の凄みは、九州豚骨のような単一の重さではなく、じっくり炊き出した豚骨スープに炭火で焼き上げた「焼きあご」の力強い魚介出汁を衝突させている点にあります。丼の表面を覆う特製のあご油(香味油)が立ち上る湯気を閉じ込め、最初の一口から芳醇なスモーキーフレーバーが鼻腔を突き抜けます。麺はもっちりとした弾力と滑らかな啜り心地を両立した自家製中太縮れ麺。スープのリッチなボディに負けない存在感を放ち、最後の一滴までレンゲを止めさせません。
一方で、あっさり派や素材の純度を愛する常連から絶大な支持を集めるのが、昼の部限定で提供される「鶏塩ラーメン」です。黄金色に透き通るスープは、上質な丸鶏のふくよかな旨味を土台に、焼きあごの端正な香りと乾物の滋味を精緻に重ね合わせた芸術的な仕上がり。添えられる薬味や自家製細ストレート麺との調和は息をのむほど完璧で、「新潟県内屈指の清湯」と称賛される理由を一口で理解させます。