保護者が業務の外部委託を模索する中で、見落とされがちなのがPTA代行に対する学校側の反応です。校長や教頭ら学校管理職の本音は、表向きの歓迎とは裏腹に、極めて慎重な姿勢を崩していません。
公立小学校の副校長は、匿名を条件に次のように語っています。
「保護者の負担軽減自体には大賛成です。しかし、学校の敷地内に日常的に出入りする外部スタッフの身元保証や、トラブル発生時の責任の所在が曖昧なままでは受け入れられません。万が一、不審者の侵入や器物損壊があった際、PTAが依頼した業者だからといって学校側の管理責任が問われないわけではないのです」
さらに深刻なのは、外注化の議論を進める過程で必ず噴出するPTA不要論と活動廃止の対立です。毎年春先になると繰り返される、陰湿なPTA役員決めと免除理由の暴露合戦――「持病がある」「親の介護をしている」「不妊治療中である」といった極めてプライベートな事情を公衆の面前でカミングアウトさせられる理不尽な儀式に、多くの保護者が怒りの声を上げてきました。
こうした構造的暴力とも言える役員決めの苦痛から逃れるために代行を提案したところ、「そこまでしてお金を払って存続させる意味があるのか?」「代行を雇うくらいなら、その活動自体を廃止すべきではないか」という根本的な疑問が突きつけられるのです。実際に、旗振り当番やバザー、歓送迎会などの恒例行事をゼロベースで見直し、行事そのものを全廃することで、代行費用を1円もかけることなく保護者の負担を完全消滅させた学校も少なくありません。