ネットの掲示板やSNSで囁かれる「遺跡発掘バイト=過酷な重労働」という説は、ある一面においては紛れもない事実です。映画のように「ハケで優しく砂を払うと黄金の遺物が現れる」といった華やかな光景は、作業全体のわずか数パーセントに過ぎません。実際の現場作業の約8割から9割は、スコップを用いた掘削、削り取った残土を土嚢袋に詰めて一輪車で運搬する泥臭い土木作業が占めています。
現場従事者が残した体験談や調査員の取材記録でも「最初の3日間は全身の筋肉痛でベッドから起き上がれなかった」という告白が目立ちます。発掘現場特有の過酷さは、単に重い荷物を持つことだけではありません。地層のわずかな色の変化や土質の差異を見逃さないため、中腰やしゃがみ込みの姿勢を数十分から数時間維持したまま、移植ゴテ(通称:ガリ)で土をミリ単位で薄く削り続けるという、独特の筋持久力が試される点にあります。
一方で、「想像していたような暴力的なキツさではない」という声も根強く存在します。安全管理が徹底されている公共調査が多いため、午前と午後にそれぞれ15分から30分程度の小休憩が挟まれ、昼には1時間の休憩が厳格に確保されます。現場監督員や調査研究員の指示通りに淡々と手を動かす規律正しさがあり、無理なペース配分を強いられる土木工事現場とは異なる独特のテンポ感で時間が流れていきます。