本編の魅力を語る上で外せないのが、料理を口にした億泰が放つ数々の伝説的なリアクションです。普段は単純で腕力任せ、学校の勉強も苦手なヤンキー高校生である億泰が、料理を口にした瞬間だけは、詩人顔負けの解像度で味覚を言葉へと昇華させていきます。
特にトマトとモッツァレッラチーズを同時に口にした際の台詞は、漫画史に残る名言として語り継がれています。
「チーズとトマトが口ン中で合わさると、この『歯ごたえ』! まるで知恵の輪を外した時のようなスッキリした気分だぜーッ! たとえるなら、サイモンとガーファンクルのデュエット! ウッチャンに対するナンチャン! 高森朝雄の原作に対するちばてつやの『あしたのジョー』! これぞハーモニーっつーんですかあ~~っ!」
そして全身を仰け反らせて放たれる「ンまぁあ~いっ!」という絶叫。億泰の素直で裏表のない性格、美味なものに対する純粋なリスペクトが爆発したこのシーンは、2020年代以降のSNSや動画配信カルチャーでも「至高の食レポ」としてミーム化され、多くのクリエイターにオマージュされ続けています。億泰の愛嬌と人間味があったからこそ、読者は恐怖と快感のジェットコースターを彼と一緒に楽しむことができたと言えます。